追悼 Aaliyah (1979-2001)

アメリカ東海岸時間8月25日夕方、プロモーション・ビデオの撮影地のバハマから戻るセスナ機が離陸後墜落、アリーヤは22年の短い生涯を閉じました。ぼくはアリーヤの熱心な聴き手ではというわけではありませんが、5年ぶりとなる新作が先月でたばかりなのに、この急なニュースは正直ショックです。彼女は、シンガーとして、力量的には決してとびぬけて素晴らしいというわけではなかったですが、スターの華やかさやどことなくミステリアスなカリスマ性を持ったアーティストでありました。また、現代R&B史上重要な位置を占めるティンバランド一派に参画したという意味でも無視できない存在でした。

アリーヤの略歴をしめしておきますと、彼女のセンセーショナルなデビューは1994年「Age Ain't Nothing But A Number」で、「歳なんてただの数字よ」の言葉どおり、わずか15歳でのデビューでした。当時飛ぶ鳥を落とす勢いで勢力拡大していたRケリー(「黒人音楽界の小室哲哉」と当時呼ばれた男‥いや呼んだのはぼくだけかもしれませんが)との公私に渡るとされたパートナーシップもスキャンダラスな話題を呼び、一躍スターになりました。二年後にはRケリーと袂を分かったセカンドアルバム「One In A Million」もヒットさせます。

ぼくが個人的に彼女に注目しはじめたのはやはり彼女がティンバランドと組みはじめたころです。特にティンバランドによる作品、1998年のシングル「Are You That Somebody?」(「Dr. Dolittle」サントラ収録)は、フラメンコ・リズムを取り入れた斬新な曲で、何かと「異端」とされたティンバランドの音がR&Bの世界を勝ち取る決定打となった重要曲です。このころ新譜が出るかな?と多くの人が思ったことでしょうが(ぼくだけ?)、なぜか沈黙。2000年には、映画「ロミオ・マスト・ダイ」でジェット・リーとともに主演。別に特に素晴らしい映画でもないけれども、個人的にはアリーヤの演技もアクションも楽しめました。このサントラからもヒット曲がでました。先月出た三作目はなんと5年ぶりのアルバムとなりました。その矢先の訃報は本当に残念です。

アリーヤの冥福を祈りたいと思います。 (8/26/01)