Homework ★★★★

Homework

Daft Punk / Homework

::★★★★::1996::Virgin::club::house::techno::electro::
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フランスの2人組ハウスユニットの記念すべきデビュー作であり大ヒット作。実はリアルタイムではぼくはダフトパンクのことは好きではなかったんですよ。当時ぼくは黒人音楽の流れを正統的に組むハウスの支持者だったので、ダフトパンクの黒っぽくない音(ある意味黒いのだが)、黒っぽさのカケらもないグループ名、ほのかなダサさをめざしたもっさりした感覚、フランス出身という事実などに、「遠慮しとくわ」という気分だったのです。しかし、今はうってかわって好き。このダサい感じがたまらん! フランスというキッチュな土壌が今新しい! など、人間の嗜好と言うものはかわるものであります(無責任)。確かにダフトパンクは、ニューヨークハウスにあるようなエレガントな黒さというのはない。しかし、このダサさもまた「黒さ」の一種であり、語弊をおそれずいえば、ブルージーとさえ言えるでしょう。大ヒットした「Da Funk」なんか、最高! あからさまにエレクトロ(+アシッドハウス少々)をねらった音は、当時ぼくはあざと思ったけど、今はカコイイと痛感する。ダサかっこいい!! 当時のハウスのBPMを考えると異様に遅いテンポにも頑固なこだわりと愛を感じます。しかし、ダフトパンクはダサかっこいい音だけでなく、純粋にかっこいい音もさりげなくまぎれこませているのがまた憎い(「High Fidelity」とか)。アルバム全体としては、かなりストイックにエレクトロ・ハウスを追求していて、アルバム通して聴くとちょっと単調かなと思う。けど、90年代後半のクラブ音楽を代表する一枚であることは確かではないでしょうか。 (7/30/01)