Music ★★★

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Madonna / Music

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カウガールのジャケがとてもいい感じだったので購入。「カウボーイ/カウガールという外装でテクノ」という発想は良いと思う。実際最初聴いたときはかなり気に入ってました。シングルとなった冒頭のエレクトロ・ファンク「ミュージック」もカッコイイし、いかにもウィリアム・オービットという感じのプログレッシヴ・ハウスの佳曲「ラナウェイ・ラバー」も、マドンナのここのところのトレードマークである「祈るような歌い」がよく合っていて、マドンナのハウス・ディーヴァとしての資質を再確認させられます。また、フォーク・ギターのつまびきをサンプリング&ループした「ドント・テル・ミー」はこのアルバムを象徴するような好ポップ曲。

しかし何回も聴くとだんだん熱が醒めてくるのはどういうことでしょうか。理由を考えてみると、まず、サウンド的に斬新なところがないということ。趣味のよい「新しい音」であるが、クラブ音楽の先端という観点から見るとむしろ保守的な音であるように感じます。次に、曲の出来にばらつきがある。最後に、これは好みの問題なのかもしれませんが、上記の欠点をカバーするほどにはマドンナのボーカルに深みとか味がない。このアルバムの曲は、いろいろ理屈を考えるとおもしろいと思える曲がいくつもありますが、逆に理屈を超えるマジックに欠けるところもあるのだよな。ということで、理屈を考えたりしている最初のうちは楽しいが、理屈に飽きたら自然とCD棚の奥にしまわれてしまう、そんなアルバム。 (11/11/00, 16:19:36 (JST))