Two Pages ★★★★

Two Pages

4 Hero / Two Pages

::★★★★::1998::Talking Loud::club::d&b::jazzy::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

【セカンド・リヴュー】すんません、前回の評(★★)は過小評価でした。何回か聴き返してみると、このアルバム、「Page Two」(つまりDisc 2)が素晴しいことに気付きました。この「Page Two」は生楽器の演奏で占められた「Page One」に対して打ち込みのみのエレクトロニカな内容なんですが、すごく地味なんですよね。しかもドラムンベースでない曲も多い。だから聴き逃していたんですが、これがとても良質なテクノなのであります。10分に及ぶtr1「We Who Are Not As Others」はダウナーで内省的な一品。一応ドラムンベースな曲ですが、ダンスすることを全然意図していないかのような、実験的でアーティスティックな曲です。複雑でせわしないリズムが中心に据えられた前半から、単調で破壊的なビートとベースの後半へ移る展開が良い。その後も、曲は組曲のようにノンストップで続きます。いずれも内省的な曲調。特にtr2「Humans」とtr5「Greys」、tr6「Pegasus 51」、tr7「3005」、tr8「Wormholes」、tr9「Dauntless」など、デトロイト・テクノの影響が色濃いミニマルで非メロディアスな楽曲が素晴しい。ということで、この「Page Two」は★★★★☆ぐらいの素晴しい内容。

一方、生楽器サイドの「Page One」は、やはり個人的にはそれほどおもしろいとは思わないのですが、じっくり聴いてみれば、インストがけっこう良い。tr3「Planeteria」、tr4「Third Stream」など。Ninja Tuneの3枚組コンピの2枚目みたいな雰囲気(って説明にほとんどなってない‥)。ポリリズミックなドラムが良いのよねー。ちょっとプログレ入ってるかも。あと「Page One」ラストの「Ebisu Gardens」のみ打ち込みで、「Page Two」との橋渡しの役目を負っています。タイトルはやはり東京の恵比寿ガーデンのことかな。

というわけで、再評価。 (9/9/04)


[追記1/3/07]iTS JPには曲数が少し少なく、曲順が違う別バージョンが1500円で売られています。→iTS JPの別バージョン また、iTS USのバージョンもこの「若干短縮バージョン」と同じなので、これはアメリカ盤かもしれません。このバージョンでは、上のリビューにある「We Who Are Not As Others」は7:56のショートバージョン、「3005」、「Dauntless」は未収録です。