2009年度(日本編)

おっと、もう2月だ。って去年と同じ台詞だな。更新頻度が超低いんだからこの企画だけでも更新しないと立ち行きませんね。と思っているのは自分だけですが。

2006年度から毎年やっております(US編は2007年度から)「iTS年間ベストセラー大人買い祭り」、iTunes Storeの年間チャート(曲単位)のトップ50を大人買いして片っ端から感想を書くコーナーをやりたいと思います。日を改めてアメリカ編もやる予定。

それはともかく日本版の概観です。いきなりトップがGReeeeNでげんなり、しかもTop 50にそのGReeeeNが6曲も入っている(1, 3, 6, 7, 21, 29)ということで、聴く前から頭痛が止まらなかったのですが、実際に通して聴いた感じでは、頭痛度はそれほどでもありませんでした。その大きな原因は、「励まし系」の嘘ラップがかなり減ったというところにあるかと思います。ほんとに「励まし系」も苦痛だし「嘘ラップ」も苦痛なのに、「励まし系嘘ラップ」なんてホント勘弁してよという感じだったのですが、今回は、それ系はFUNKY MONKEY BABYS(12)が入っているぐらい。FMBへの拒否反応も今はあまりなく、今回聴いていてムカついたのは湘南乃風(34)だけでした。素晴らしい。

他では、Superflyが5曲(9, 15, 19, 26, 27)と躍進しているのが目立ちます。それから木村カエラ(2)がブレイクしためでたい年でもありました。参考までに、カエラのiTS年間Top50入りは2006年の「リルラ リルハ」(24位)以来。

それ以外は、絢香(10, 11, 44)、EXILE (20, 25, 32, 49)、コブクロ(30, 35, 36)、宇多田(24, 33)、安室(40)などの常連組が手堅くランクインしていますが、トップ10に入ったのは絢香のみ(しかも10位)で、ちょっと勢いが衰えているのかな、という感じです。事実、これはというパンチのある曲もなかった気がします。

その他、邦楽の感想としては、なんか「男性陣=テクなし」と「女性陣=テクあり」という傾向がより強まっているような…。GReeeeNが目立っているせいかもしれませんが、どうも男性陣は馬鹿の一つ憶えみたいに声を張り上げて勢いだけで歌い上げるパターンが多い気がします。一方、女性は緩急をつけたテクニック指向が強く、上手い人が多い。紅白見ても同じことを思いましたが、どうも「男=ヘタクソ」「女=上手い」という対照がよりはっきりしているように思います。今回の男性陣で緩急あるのはEXILE、コブクロ、JAY'EDぐらい? あとはみんなカラオケ御用達の張り上げ系であります。

ちなみに、毎年少ない洋楽組は、映画がらみでランクインしたT. Rex (38)、Lady GaGa (39)、Backstreet Boys (42)、Black Eyed Peas (46)、Linkin Park (50)の5曲。昨年の3曲より2曲増えました。今回はR&B系が一曲も入ってませんね(BEPの当該曲は普通のロック/ポップスだし)。

というわけで、以下、感想を書きなぐります。たかだか1曲や2曲聴いただけで判断するのは無茶だと分かりつつ、お気に入り度を★で記しますが、「★★★」が標準。「けっこういいな」と思ったら「★★★★」、「これはけっこう聴くのがキツい」と思ったら「★★」。「★★★★★」は、「この曲なら何回でもリピートオッケー!」という曲です。あくまで【な】本人の「お気に入り度」ですので、もし貴方と意見が違ったら「こいつ分かってねえな」と笑ってください。

※Very special thanks to 航海さん。

ではでは、本年度分。

1. GReeeeN / 遥か (2009) ★★★

この曲はちょっとコブクロ化している気がします。歌唱力は比べものになりませんが。でも一本調子で元気に声を出す方がカラオケで歌いやすそうなので受けるんでしょうね。それにしても、カエラの1位を阻止した罪は大きい。

2. 木村カエラ / Butterfly (2009) ★★★★★

カエラ、おめでとう。…ってエコひいきもええかげんにしろと自分に突っ込みたいですが、でもこんだけ流行るとちょっと引いてしまう天の邪鬼な自分が嫌ですね。でもまあ、軽く名曲です。ヒットするべくしてヒットした。

3. GReeeeN / 歩み (2009) ★★

分かりやすい曲ですね。曲名通り、みんなで手をつないで手を大きく振ってさあ行進!って感じです。ぼくは遠慮しときますが。

4. HY / 366日 (2008) ★★★

決してうまくはない女性ボーカルに土着的な味があってなかなか良いです。一青窈系? もうちょっと線が太いか。

5. B'z / イチブトゼンブ (2009) ★★★

実は! B'zの曲を最初から最後まで聴くのは初めてなのです。別に避けていたわけではないんですが、いままで接点がなかったという。この曲はわりとおとなしめのポップ・ロックですが、曲調やボーカルの歌い回しにほのかに80年代の香りがあって、こそばゆい。でも悪くないです。

6. GReeeeN / キセキ (2008) ★★★

昨年2位。今回のGReeeeNの曲では一番好きです。メロディー、構成ともに良く出来ています。

7. GReeeeN / 刹那 (2009) ★★

悪い曲じゃないと思う。けど、ジャケにでかでかと書かれた「きっと僕らは輝きたくて生きる意味を探してた」という言葉がもう無理。無理無理。すみません、穢れた大人で。

8. ROCK'A'TRENCH / My SunShine (2009) ★★★

GReeeeNと同じく?高学歴グループ。さわやかでストレートなポップ・ロックで、清涼飲料水のCMにぴったりの曲です。

9. Superfly / Alright!! (2009) ★★★

本格的にブレイクした女性シンガー。昨今の女性ボーカルは緩急つけた技巧派が中心でしたが、Superflyは久々に出た、パワーと声質で押すタイプ。この曲は70年代ハードロックの匂いがする豪快な歌謡ロック。…ですが、いまいち頭に残らないというか、バックの音が全体にコンプレッサーかかりすぎな感じで、キレイにまとまりすぎてるんだよなあ。危なげゼロというか。もっと演奏に荒削りさや破綻が欲しい。まあ、このクリーンな音だからこそ売れたんだろうけど。

10. 絢香 / みんな空の下 (2009) ★★★

バセドウ病で無期限休業が決まった絢香。紅白での熱演もたいへん評判を呼び、ぼくも感銘を受けました。さて、この曲ですが、うーん、なんか今いち、曲自体が。Verseはとてもいいけど、サビが平凡で盛り上がりきれない。曲が平凡な分、絢香の歌唱だけで聴かせている感じ。

11. 絢香 / 夢を味方に (2009) ★★★

同じく絢香。コブクロ的な曲ですな。でも曲としてはぬるくて平凡。毒にも薬にもならないとはこの曲のためにあるような言葉です。絢香は悪くない、ブレーンが悪い。と思いたい。

12. FUNKY MONKEY BABYS / 桜 (2009) ★★★

嘘ラップの彼らですが、嘘ラップを除けばサビのメロディ・センスはなかなかで、正直、GReeeeNより好き。GReeeeNは押すばかりで平坦だけど、FMBは意外に緩急があって、サビの盛り上げがうまい。…でもまあ、この曲は普通かな。てか、いつまでこのマンネリ路線で行くのだろう。

13. 椎名林檎 / ありあまる富 (2009) ★★★

なかなか全盛期のようなチャートアクションが取れない椎名林檎ですが、最近のいくつかのアルバム(東京事変も含めて)は悪くないと思います。しかし、ドラマのために書き下ろされたというこの曲はどうでしょうかねえ…ってヒットしてるからいいじゃん、という考えもあろうかと思いますが、なんかえらい普通の曲で、出だしなんて、林檎チルドレンのヤイコかと思ったよ。タイトルは林檎らしくていいんだけど。ビートルズヘヴィーメタルといった感じのギターのアレンジでなんとか特異な雰囲気を出そうとしているけど、肝心の歌とメロディが普通だからなあ…。

14. ヒルクライム / 春夏秋冬 (2009) ★★★

アメリカで大流行した、明示的なオートチューンの使い方を採用した曲。でもなんかナメクジみたいでちょっとキモいと思うのはオレだけ? エラの張った声にオートチューンは合わないのか。でもまあ、サビのメロディはなかなか良いです。

15. Superfly / My Best Of My Life (2009) ★★★

Superflyのパワーバラード。うーん、普通かなあ。「愛をこめて花束を」の方がいい。

16. May J. / Garden feat. DJ KAORI, Diggy-MO',クレンチ&ブリスタ (2009) ★★★★

おっと、これはけっこう良いですね。ポップなR&B系ということになるかと思いますが、歌やメロディは割と普通ですが、起承転結なくだらだらとループするグルーヴと展開しないコード進行がヒップホップ的な意気を感じさせて、暑苦しい「感動」の押しつけが多い昨今のヒット曲の中では大変好感持てます。ちょっとニュージャックの匂いを感じるビートもいい。

17. 東方神起 / Share The World (2009) ★★★★

東方神起、聴くの初めてです。けっこう良いですね。アイドル系R&Bということになるんでしょうが、この「水っぽさ」(≒ホストっぽさ)はなかなかクセになります。こういう水っぽい感じはスマップを初めとするジャニタレには意外にないものでちょっと新鮮。

18. 菅原紗由理 / キミに贈る歌 (2009) ★★★

青山テルマとかSpontania feat.JUJU「君のすべてに」に近い雰囲気の歌、メロディ。この系統は嫌いじゃないけど、このシンガーにこれといった個性が感じられないのはオレの耳が節穴だから?

19. Superfly / 恋する瞳は美しい (2009) ★★★★

この曲はイイ!ですね。Superflyって、その70年代っぽいファッションとか、Superflyって名前から、70年代っぽい音楽をやるイメージが醸し出されているけど、こういう曲を聴くと、70年代ロックというよりは大黒摩季とかの歌謡ロックに近いと思わされます。でもいいんじゃないですか、今の時代にこのベタベタな感じが。男性アーティストどもが貧乏臭いフニャチン草食系になっている時代に、この肉食系の押しの強さ。唯一の不満は、上にも書いたけど、バックのサウンドがコンプレッサーかかってクリーンすぎること。もっと粗い音を!

20. EXILE / Someday (2009) ★★★

レコード大賞取ったみたいですけど、なんか、曲調・アレンジ・サウンドが15年前のスマップと大差ないんですけど…。とはいえ、あの時代のスマップのポップR&Bのクォリティーは大変高く、ぼくも一時はまっていたぐらいなので、この「Someday」も嫌いじゃないです。しかし! 年末にテレビでEXILEがこの曲を歌っているのを聴いて、声がうわずっていて意外にヘタだったのでちょっと失望。歌がうまいデュオ(デュオなのか?)と思っていたけど、もしかしてあれはバラードのみ通用するカラオケ歌いだったのか?

21. GreeeeN / 愛唄 (2007) ★★

前年8位、前々年2位…っていつまで売れてるんだ。

22. Spontania feat.JUJU / 君のすべてに (2008) ★★★

前年4位。

23. TOKYO No.1 SOUL SET + HALCALI / 今夜はブギー・バック (2009) ★★★

うーーーーーーん…なんか手抜きな一曲だなあ。バックのサウンドも平坦で工夫がなく素人くさいし、ハルカリはラップしないで平坦な歌うたってるだけだし。てか、TOKYO No.1 SOUL SETHALCALIという名前に対するひいき目がなければ★★つけるところ。

24. Utada / Come Back To Me (2009) ★★★

宇多田ヒカルのアメリカ戦略アルバム(Utada名義)より。リオナ・ルイスとかジョーダン・スパークスのような、シンプルで清涼感あるR&B曲。良い曲だと思うけど、宇多田らしさは薄いような気がします。宇多田の曲って、宇多田である必然性に満ち満ちた濃い楽曲ばかりですが、このアメリカ戦略曲は、別に宇多田じゃなくてもいいって感じがして、そこがなんとなくしっくり来ません。カバーじゃないのにまるでカバーのよう。

25. EXILE / 優しい光 (2009) ★★★

まあ、良い曲だと思います。関係ないけど、テレビで観た新生EXILEは人数大杉。こういうバラード曲では特に人数の多さの意味不明さが光る。

26. Superfly / やさしい気持ちで (2009) ★★★★

元気なパワーバラード。良いと思います。ほのかに昭和臭がする。

27. Superfly / 愛をこめて花束を (2008) ★★★★

前年9位。最初に聴いた曲であるせいか、やっぱり印象深いです。

28. JAY'ED / Everybody (2009) ★★★★

おお、なんてオーソドックスな男声R&Bだ。男性陣だと声張り上げ系励ましソングかホスト系EXILEばっかりなので、こういうフツーの、ポップでライトなR&Bに心洗われる思いです。ニュージーランド人とのハーフらしいですが、最近の歌手はハーフが本当に多いな。今回のTop 50組ではMay J.もハーフ? AIはクォーター、木村カエラはイギリス人ハーフだし。話を戻してJAY'EDさんは、ちょっと線が細い気もしますが、この線の細さが弱さじゃなく持ち味として成長すると良いですね。ヘタクソが多い男性陣の中で安心して聴けるシンガーです。

29. GReeeeN / 扉 (2008) ★★★

えーと。わりとソフトで、いつもほど押し付けがましくなくていいんじゃないでしょうか、当社比。でも、ラップもどきは寒いからやめた方がいいと思う。

30. コブクロ / STAY (2009) ★★★

いつものコブクロ節。歌うまいし、サビの盛り上げはさすがだと思うけど、ほんと破綻がないというか、冒険しないというか、いつも通りというか、イントロのピアノからして超ありがちというか…まあ、ニーズがあるからいいのか。あと、コブクロはチビの歌は凡庸で黒メガネの歌あってのものだとあらためて実感。

31. MONKEY MAJIK / アイシテル (2009) ★★★

あれ? MONKEY MAJIKまでコブクロにならなくてもいいのに…。

32. EXILE / Ti Amo (2008) ★★★★

前年14位。よしきがこの曲を評して「日本のR&Bは本場アメリカの10年遅れだと分かる」と言ってましたが、えーと、10年遅れで済むのか、ということは検討の余地はあるとは思いますが、中学生みたいなガキっぽい恋愛の歌が氾濫する日本の男性アーティストの中で、こういうバブリーな不倫の歌を堂々と歌い上げてくれるのは実にたのもしいと思います。

33. 宇多田ヒカル / Beautiful World (2007) ★★★★

やっぱりUtadaより宇多田の方がずっと宇多田らしい。良い曲です。が、もう一押し欲しい気も。

34. 湘南乃風 / 純恋歌 (2006) ★

歌詞が中学生レベルのラブソング。トースティング(のようなもの)をがなっているのはサンプラザ中野だと最初マジで勘違いした。

35. コブクロ / 虹 (2009) ★★★

おお、コブクロのヒット曲にしては珍しくアップテンポの曲です。コブクロなりの冒険か。←それは言い過ぎ。しかしやっぱり歌い上げてるなあ。直立して、こう、マイクを口から少し遠ざけながら歌い上げる二人の図が目に浮かびます。ついでにこの曲でカラオケで熱唱する人々の姿も目に浮かびます。

36. コブクロ / 赤い糸 (2008) ★★★

いつもの、ストリングスばりばりのコブクロバラードです。こういうのが必要な人が必要に応じて聴けば良いかと思います。

37. MONGOL800 / 小さな恋のうた (2001) ★★★

前年24位。なぜこんなインディー丸出しの曲がロングヒット?! なんかのタイアップ? 曲自体は嫌いじゃないけど。

38. T. Rex / 20th Century Boy (2009) ★★★★★

映画「20世紀少年」のテーマとしてヒットしたらしい。今さらどうこうコメントすることもありませんが、あえて言うならイントロのギターの破壊力にマーク・ボランの天才をいやというほど感じさせられる一品。

39. Lady GaGa / Poker Face (2008) ★★★★

2009年のUSチャートの「顔」とでも言うべき、時代錯誤ユーロダンス・シンガー。奇才なのか、時代の徒花なのか。サビがクセになります。

40. 安室奈美恵 / WILD (2009) ★★★★

今回のTop 50の中で、アメリカのユーロダンス旋風を唯一リアルタイムで取り入れた曲。かなりカッコいいですが、少々凝りすぎ? しかし「(悪い意味で)馬鹿みたいな曲」であることが賞賛される昨今の日本のチャートでは、この冒険心は賞賛されるべきものでしょう。いつも思うけど、安室ちゃんの曲はボーカルの印象が弱いのが残念。

41. AI / Story (2005) ★★★

2006年度の5位の曲がなぜか復活入賞。当時のオレは★★と酷評してましたが、いや、そこまで悪くないよ>オレ。歌がしっかり歌えるだけ立派なものです。…と思ったけど、聴き返してみてやっぱりなんか受け付けないセリーヌ・ディオン的なものを再び感じました。曲に。歌はセリーヌ・ディオンよりはるかにいいんだけど。

42. Backstreet Boys / Straight Through My Heart (2009) ★★★

なんで今さらバックストリート・ボーイズなのか良くわかりませんが、昨今のアメリカのユーロダンス・ブームにバックストリート・ボーイズの水っぽさがうまく合った曲だと思います。

43. AZU / いますぐに・・・ (2009) ★★★

女声バラード。普通。

44. 絢香 / 三日月 (2007) ★★★★

前年45位、前々年27位。大して好きな曲じゃないけど、すぐ上の「いますぐに・・・」に続けて聴くと差が歴然ですね。もちろんこちらが上。

45. かりゆし58 / さよなら (2009) ★★★

TVドラマ「銭ゲバ」のテーマ曲らしい。ちょっとブルーハーツっぽい匂いのする曲で、サビのメロディはなかなか良いです。が、ところどころ嘘ラップの悪しき影響がちらちらと伺えるのが気になる。

46. Black Eyed Peas / I Gotta Feeling (2009) ★★★

世界的にヒットしましたねえ、この曲。しかし、よくもまあこんな気の抜けたコーラみたいな曲がここまで流行るもんだ。

47. Hi-Fi CAMP / 一粒大の涙はきっと (2009) ★★★

うーん、印象に残らない。悪い印象もないけど。曲が終わると忘れてしまう。オレの脳みそがおかしいのだろうか。

48. 浜崎あゆみ / Sunrise ~LOVE is ALL~ (2009) ★★★

前半はけっこうカッコいい。しかし最後の方の、あからさまにコンサートでの観客のコール&レスポンスを想定した「盛り上がり展開」で引いてしまう。あとあゆのボーカルの不自然なビブラートにはどうしても慣れない。

49. EXILE / ふたつの唇 (2009) ★★★

いつもと同じEXILE。感覚がすでに麻痺しているだけかもしれませんが、印象薄い曲です。

50. Linkin Park / New Divide (2009) ★★★

アメリカでもチャートインしてましたが、なんでこんなヌルい曲が売れるのか、時代遅れのオレの頭には理解不能。

以上。

Live concert at なんばHatch, Osaka, 11/27/2009, 4000円 ★★★★

木村カエラ / (Live concert at なんばHatch, Osaka, 11/27/2009, 4000円 )

::★★★★::2009::--::pop::rock::jp::

■ シンプルで飾り気のない、いつものカエラ

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「いつもの」といっても、カエラのライブに来るのは初めてなのですが。でも、CDの特典映像などで、ライブの模様を観ているので初めてな感じがしません。てゆうか、ほんと予想通りの飾り気のなさ! 良くも悪くも!

まず、ステージ衣装はいつも通り。Tシャツに紫の長パンツ。ステージセットは特別なものはなし。バンドは、カエラの他に、g, b, dr, keyという最小限編成。あとはひたすら曲を実直に、きまじめに演奏するだけ。ギミックなし。潔いといえば潔い。

しかしそのシンプルさでも、2時間に及ぶライブに飽きがこなかったのはすごいことです。曲は新譜「Hocus Pocus」からの曲が中心でしたが、新譜の出来が良かっただけに、過去の曲が網羅されていなくてもそれほど不満に思いませんでした。てか、基本的に曲がいいですね。ボーカルも、セカンドのころのツアーの映像に比べると格段にうまくなっていて、その分、野太いワイルドな感じが減って残念でしたが、安定感があって素晴らしかったです。

曲はアップテンポで始まって、中盤に最初のヤマである「You」が来ました。これにはぐっときましたが、会場はあまり盛り上がってなかったような。なんで?! 「Butterfly」はそこそこの盛り上がりでしたが、わりにあっさりしていました。てか、もうちょっと演出というか盛り上げ方があざとくても良かった気がする。基本的に全体にあっさりしすぎているんだよね。まあ、「みんなでもりあがろうぜぃぃ!」的な予定調和なノリを拒否していると言えないこともありませんが。

それでも、最後の「Jasper」「BANZAI!」の二連発はちょう盛り上がりました。てか、これらの打ち込み系の、メロディーラインが平坦な曲は、ライブで盛り上がるのかどうか心配でしたが、ライブ向けのアレンジがたいへん良く、ぐいぐいとひきこまれました。そして極めつけはやっぱり、アンコールのラストの曲、「Magic Music」ですね。ぼくがカエラにはまるようになったきっかけの曲ですが、やっぱ盛り上がるわ〜。「たかく〜たかく〜じゃんぷ〜し〜て〜」で、ジャンプしまくりましたよ、40過ぎて!

ちなみに、今回のツアーはライブハウスツアーということで、会場も1階はオールスタンディングだったんですが、高齢の我々は遠慮してフロア最後方で鑑賞しました。それもあって、ちょっと冷静に演奏も観ていたんですが、バンドはたいへんうまかったと思います。しかし、「ギミックなしでシンプルに演奏だけで魅せる!」のなら、もうちょっとプラスアルファが欲しかったという欲張りな思いもいたしました。「リハみっちりやって来ました」という演奏を超えた、「うぉぉぉ!理性が飛んで行く!」ぐらいの演奏が聴けたら、と。冷静に分析すると、ちょっとギターに物足りなさを感じました。あのギターの人は大変達者で、少人数の演奏を過不足なく支えていたと思いますが、パワーコードでガンガンやるタイプのギタリストではなかったように思いました。実際、コーラスなどのエフェクターを強く書けたクリアーで細やかなギターの方に、より持ち味が出ていたと思います。しかし問題は、現段階でのカエラの曲はやはりパワーコード・ガシガシのパワーポップが多い訳で、それだけに、優等生すぎるギターには少々食い足りなさが。一方、ドラムの人はけっこう良かったですね。バカテクという感じでもなかったですが、オープンリムショットが効果的で、タイトなプレイでしたね。本来は打ち込みだった「Jasper」と「BANZAI!」の生演奏での盛り上がりはドラムのプレイに負うところが大きかったと思います。

とまれ、全体には楽しめました。でももう少しギミックのあるライブも観たいな。

ちなみに、観客は20代前半とおぼしき女性がたいへん多く、会うんじゃないかと思ったらやっぱり学生がいて声かけられました。ははは…。

(12/1/2009)

木村カエラについて

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木村カエラ

きむらかえら (1984年生、2004年デビュー)
::pop::rock::jp::

【概観】

イギリス人とのハーフ。ローティーンのころからモデル。2003年にテレビ神奈川の番組「saku saku」のMCとしてテレビデビュー、好事家?の間でブレーク。その1年後に歌手としてデビュー。

モデル出身ですが、可愛さとかお洒落っぽさの追求には関心がなさそうな、典型的なtomboyであります(ゲイじゃないかと思ったこともありましたが、それはなさそう)。実際、スカートを履いた写真は少ないですね。ランシドのファンということから分かるように、パンク入っていて、ボブ+刈り上げで隠れモヒカンのような髪型も一時よくしていたし、眉毛は基本的に短く刈り込んでいます。髪型はほんとにしょっちゅう変えております。

で、この人の場合、「芸能活動の一環としてCD出す」という姿勢ではなく、「まず音楽ありき」という姿勢なのが好感持てます。曲は2009年段階ではほとんど作ってませんが、作詞はデビュー以来、ほとんど自分で作詞しています。

もともとテレビで人気でた人なので、バラエティ方面など、テレビ的な展開もありえたと思うんですが、今のところ音楽中心で活動しております。2009年のライブのMCでも「あたしがドラマとか、無理!」などと言っていましたが、はっきりいって、客観的に観ても全然無理じゃないだけに、いつまで音楽中心でやってくれるかは分かりませんが、当分「シンガー木村」のままでやってほしいと願っております。

シンガーとしての力量は、声量も含め、ずば抜けているわけではありませんが、声質は芯があってなかなか良い。シンガーははっきりいって声質がその魅力の半分以上を占めるのでこれは大きい。ハーフだから声が良いんだろうか。さらに、本人の「甘ったるいのはごめんだね」という姿勢からくる、凛とした発声も魅力的。最近は若干大人しく、女性らしさが増えて、初期の乱暴な男っぽさが減ったのは残念だけど、これも成熟なのでしょう。頑張って!

(12/1/2009)

Live concert at 難波bears, Osaka, 1/23/2009, ?円 ★★★★

Acid Mothers Temple / (LLive concert at 難波bears, Osaka, 1/23/2009, ?円 )

::★★★★::2009::--::pop::rock::

■ まったりサイケデリック

いかん、もう10ヶ月前のライブだ。感想を書かないとわすれてしまう!

このときのアシッド・マザーズ・テンプルのメンツは以下の通り:河端一(g)、津山篤(b)(想い出波止場)、吉田達也(dr)(Ruins、高円寺百景)+ゲストに梅津和時(sax)、ピカチュウ from あふりらんぽ(vo)。

えーと、実はアシッド・マザーズ・テンプルのことは良く知らなくて、吉田先生目当てで行きました。以前、吉田先生の単独ライブを観に難波ベアーズに行こうとしたことがあったんですが、そのときはベアーズに到達する前になんと財布を落としてしまい、ベアーズに到達することができなかったんですね(財布はその後、現金を抜かれた状態でで戻ってきました)。今回はそのリベンジです。

で、難波ベアーズ自体も実は初めてだったんですが、関西インディーシーンを代表するライブハウスなのに狭い! もうちょっと広いのかと思ってました。ぼくがアマチュアでバンドやってたころに出てたライブハウスとなんら変わらない。まあ、独特のぐだぐだな雰囲気がいい味出しているといえばいい味出していました。

さて、記憶が消えてしまうまえに、ライブについて書き留めておきましょう。

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まず、アシッド・マザーズ・テンプルは河端一のバンドだと認識していたのですが、ライブ自体は津山篤(←ちなみにご両親も会場に来ていた)がMC担当して仕切っていた感じでした。河端は、演奏に集中するキャラなんでしょう。河端一は初めて観ましたが、ギターが小さく見えるデカくてすごみのあるハンサムなギタリストでありました。しかしだからといってバンドが求道的かというとそうでもなく、津山のぐだぐだ感あふれるMCにひっぱられて、良い意味でまったりとサイケデリックでノイジーでフリーキーなロックが演奏されていきます。途中、思いつきで「20th Century Schizo Man」が演奏されたりしましたが、これも見事なまでにぐだぐだで、間奏のドラムを一人完コピ演奏していた吉田先生に笑いました。(え、笑うところじゃない?)

その吉田先生は、もちろん素晴らしかったですが、でもまあ、吉田先生の本領はもうちょっとシリアスなシチュエーションでこそ発揮されるので、このリラックスした雰囲気の中では、腹八分目といったところでしょうか。

で、梅津和時ですよ。こんなちっちゃいライブハウスには不釣り合いなほどの大物! 津山が「梅津さんですよ! あのRCと一緒にやっていた!」と連発していたのがまたぐだぐだ感にじみでるポイントでしたが、それは置いておいて、梅津和時。とにかく驚いたのが、還暦過ぎた人なのに、パワフルなこと! アシッド・マザーズ・テンプルの演奏は、良い意味でぐだぐだ感があるとはいえ、すごい轟音であるわけで、しかも基本的に即興なので一曲が長い。その中で、梅津のアルトサックスはノイズの渦にまけないぐらいの存在感を放ってました。いやはや、よく肺活量が続くな、と。大柄な河端のギターもアクションもパワフルだったけれど、小柄な体の、おのれの肺で勝負していた梅津和時の気迫は素晴らしかった。

というわけで、楽しめるライブでした。

Acid Mothers Templeについて

Acid Mothers Temple

あしっど・まざーず・てんぷる (1999年アルバムデビュー)
::pop::rock::

【概観】

河端一(g)、津山篤(b)を中心とする実験系サイケデリック・ロック・バンド。

(11/30/2009)

2008年度(US編)

引き続きまして、iTS年間ベストセラー大人買い祭りのUS編です。iTunes Store USの曲ダウンロード年間50位に入った曲を片っ端から購入して無責任に感想を書きなぐる企画です。(去年書いたものは→こちら

全体的に、日本編同様去年より楽しめました。ぼくの耳がメインストリーム音楽に慣れたせいでしょうか。いや、実際面白い曲が多かったように思います。あと、マッチョなロックが今年はほとんど入っていないような気がします。

バラード一辺倒の日本編と違い、もう少しバラエティーがあるのは昨年と同様です。あと、驚いたのが、「iTunes Plus」の楽曲が大勢だったこと。「iTunes Plus」というのは普通のiTunesの楽曲よりビットレートが高く(AAC 256kbps)、かつDRMフリー(再生・コピーの制限がない)の楽曲ですが、今回は50曲中なんと42曲がiTunes Plusでした。アメリカではAmazonがDRMフリーのMP3販売をしてiTSに対抗している(しかもiTSよりちょっとだけ安いことが多い)という事情もありますが、ともあれ、DRMフリーが主流になっているという現状には感慨深いものを感じます。閉鎖的な日本の音楽業界もどうにかならないかと思ってしまいます。

というわけで、以下、感想を書きなぐります。たかだか1曲や2曲聴いただけで判断するのは無茶だと分かりつつ、お気に入り度を★で記しますが、「★★★」が標準。「けっこういいな」と思ったら「★★★★」、「これはけっこう聴くのがキツい」と思ったら「★★」。「★★★★★」は、「この曲なら何回でもリピートオッケー!」という曲です。

ではでは、本年度分。

1. Leona Lewis / Bleeding Love (2008) ★★★★

イギリスの勝ち抜きタレント番組「The X Factor」(アメリカ版の「American Idol」はこの番組の前身の「Pop Idol」から派生したそうな)での3代目チャンピオンが今年のiTS USのナンバーワンです。この人は番組のプロデューサーがものすごく入れ込んでいるそうで、計算された王道中庸バラードシンガー路線を猛然と突き進んでいるようですが、この曲を聴くと、確かに歌はけっこういい。ホイットニー・ヒューストンをもっと深くした感じか。良いです。

2. Coldplay / Viva la Vida (2008) ★★★

日本の方でも19位に入ってました。グラミーも取って絶好調。

3. Flo Rida / Low (feat. T-Pain) (2008) ★★★

うーん、この手の掛け合い?中心のサグ系パーティー・ラップはいまいち良くわからん。Jay Zあたりなら理解できるんだけど。マイアミ系の馬鹿っぽさもあまりないし…。ウーハーがぶっとぶほど爆音で聴くと良いんでしょうね。そこまでやる気はありませんが。

4. Katy Perry / I Kissed a Girl (2008) ★★★

今年流行ったらしい女性シンガー。元クリスチャンシンガーで、偽悪的キャラが売りらしい。この曲も「女の子とキスして気持ちよかったけど別にレズに走るつもりはないわ」という歌詞で、少しP!NKっぽい曲調と、個性的なボーカルが良い味出しています。

5. Rihanna / Disturbia (2008) ★★★

絶好調、リアナのヒット曲。個人的にはまあまあ。やはり「Umbrella」には遠く及ばない。比べちゃいけないかもしれないけど。

6. Lil Wayne & Static Major / Lollipop (2008) ★★★

なんかバックトラックがFlo Ridaの「Low」と同じに聞こえてしまうんだけど…。でも「Low」よりこっちの方が変態的で若干好き。

7. Jordin Spark / No Air (2007) ★★★★

American Idolの6代目チャンピオン。頑張りやのおデブちゃん…らしい。で、けっこういいです、この曲。ラブソングだけどべたっとしていない。せつないけどさわやか。こういう曲に弱いです。この曲調にSparkの清涼感のあるまっすぐな声がとても合っています。

8. Natasha Bedi / Pocketful of Sunshine (2008) ★★★

R&B? ポップ? ロック? P!NKをぐっとR&B寄りにした感じ? 覚えやすい曲ではあります。

9. Sara Bareill / Love Song (2008) ★★★

今年のチャートはえらい女性が強いな。去年のトップ10は男6、女4だったけど、今年は男3、女7です。Sara Bareillesという人はピアノを弾きながら歌う女性シンガーです。この曲、悪くないけど、特にそれ以外のコメントはないです。

10. Rihanna / Don't Stop the Music (2008) ★★★

またRihanna。もう一曲、19位にも「Take A Bow」という曲をランクインさせています。今年の3曲の中ではこのちょっとダークな曲が一番すき。リアナの声はダークなダンスソングに合う。「Ma coo sa」というバックボーカルがどうしても「Microsoft」に聞こえてしまう。

11. Madonna / 4 Minutes (feat. Justin Timberlake & Timbaland) (2008) ★★★★

マドンナ来ました。なんなんですかこの、どピンクなジャケットは。そしてティンバランドの変態トラックに乗るマドンナのボーカルはえらい線が細く、やる気ないんじゃないかと思ってしまうほど。しかも、AMGには「ネリー・ファータドの二番煎じ」と批判されていて、言われてみればその通りだなあと思ったり。しかし、テーマがアルバムジャケットとアルバムタイトル(「Hard Candy」)が示唆するように「安いポルノ」だとしたら、この曲の薄っぺらさは実に「安いポルノ」っぽくて、そういう意味でいとおかし。

12. Chris Brown / Forever (2008) ★★★★

去年チャートインした「Kiss Kiss Kiss」はあまり好きじゃなかったけど、今年チャートインしたクリス・ブラウンの2曲(この曲と23位の「With You」)はポップで割と好き。特にこの曲は、ちょっとハウス寄りでいいです。ヴォコーダー的処理をしたボーカルが匿名的でクラブ音楽っぽい。

13. Jason Mraz / I'm Yours (2008) ★★★

全然知らない人ですが、この曲はフォーキーでレゲエ調の佳曲です。

14. P!nk / So What (2008) ★★★★

なんかいつのまに結婚して離婚したらしいP!nkの離婚アルバムからの1曲だそうですが、曲調はいつものパワフルでポップなP!nkで、勢いが衰えず曲も良く素晴らしいです。

15. Usher / Love In This Club (feat. Young Jeezy) (2008) ★★★★★

こういうシンセに弱いんです。アッシャーは特に好きでも嫌いでもないんですが、この曲のポップさとクラブっぽさがツボにはまりました。しかしアッシャーはしぶといですね。デビューアルバムが1994年ですからもう15年選手ですよ。年齢はまだ30超えたばかりですが、こんなに長く一線にいられるとは思いませんでした。

16. Miley Cyrus / See You Again (2007) ★★

ディズニーチャンネル出身のティーンアイドル。同世代の少女の心を掴む等身大の歌詞で大人気だそうです。個人的にこの曲はちょっと苦手。

17. M.I.A. / Paper Planes (2007) ★★★★★

タミール系イギリス人シンガーソングライター/ラッパーの曲。全然知らなかったけど非常に良いです。クラッシュの「Straight To Hell」(1982)をベースにした曲ですが、浮遊感のある、どこか現実を離れたようなバックトラックに、童謡のようなメロディ、様々な解釈が可能な、ヴァイオレントな歌詞が乗ります。能天気なようでいて、不気味さをたたえる楽曲ですね。くせ者です>M.I.A.。クラッシュの元曲自体の良さも再確認。

18. Ray J / Sexy Can I (feat. Yung Berg) (2008) ★★★

Brandyの弟だというシンガー。けっこう好きです。あっさり味、さっぱりして後味悪くありません。

19. Rihanna / Take a Bow (2008) ★★★

リアナのバラード。リアナはあまりバラディアという感じではないですが、リアナなりの、身の丈にあったバラードになっていると思います。

20. Metro Station / Shake It (2008) ★★★

マイリー・サイラス(16位)の兄がボーカルのギターをやっているバンド。80年代ニューウェーブ系MTV音楽がモチーフのようです。この曲はカーズっぽいですね。リードボーカルの中心はサイラスの兄じゃないほうの人で、なかなか個性のある歌唱だと思います。でもまあ…パス。

21. Alicia Keys / No One (2007) ★★★★★

昨年31位にランクインしていた曲。日本のiTS Top 50にも39位に入ってました。好きな曲ですがさすがに飽きてきました。それはともかく、こうして聴くと、同じくバラードを歌ってもレオナ・ルイスアリシア・キーズはまったく違うなということが思い知らされます。レオナ・ルイスは細部まで計算と技術にこだわった、言わば演歌歌手のように定石にしたがっていますが、アリシア・キーズレオナ・ルイスに比べると実に荒い。少々のピッチのズレなどまったく意に介しません。表現したいものに対するパッション。それこそがキーズにあってルイスにないものでしょう。

22. Katy Perry / Hot N Cold (2008) ★★★★

これまた80年代っぽいテイストの曲ですね。しかしこの人のボーカルはなかなか良いですね。アラニス・モリセットP!nkと4ノン・ブロンズのリンダ・ペリーを合わせたような雰囲気で、パワフルでいて緩急もあって嫌みなく表情豊かです。気に入りました。

23. Chris Brown / With You (2008) ★★★★

エレクトロな12位の「Forever」と違って、こちらはアコースティックなミディアムテンポのバラードです。濃さはありませんが、幼さがかすかに残る声に透明感があってけっこう好きです。

24. OneRepublic / Stop and Stare (2007) ★★★★

今旬らしい、バラード系ロックバンドです。こういうのは虫酸が走るぜ!…と言いたいけれど、人気あるだけあって泣かせのツボがうまいです。泣かせと言ってもマッチョ系じゃなくて、レイディオヘッドを通過した音なのであざといにも関わらず抵抗なく聞けるのかも。悔しいけどほろりとしてしまいます。よりヒットしたティンバランド印の「Apologize」より好きです。

25. T.I. / Whatever You Like (2008) ★★★

ヒップホップですが、ほとんど歌ものと言ってよいほど歌が多い。嫌いじゃありません。

26. The Pussycat Dolls / When I Grow Up (2008) ★★

AllMusicGuideではファーギーの「The Dutchess」が「(大して才能ないのに)必死で背伸びして聴いててしんどい」(超訳)と酷評されていましたが、そのファーギーもプッシーキャット・ドールズ(PCD)の「必死さ」に比べれば余裕しゃくしゃくという感じです。それほどにPCDのこの曲からは「必死さ」が伝わってきます。聞くところによればPCDのリードボーカルのニコール(超美人)がソロキャリア立ち上げようとしてコケたそうで、「とりあえずPCDで体勢立て直さないと、へたしたらPCDも消えてしまう!」と焦っているんでしょうか、この曲では、「あたしたちはこんなにとんがってんのよ! ショービズ? 商業主義? 全部分かってやってんのよ! クールでしょ? セクシーでしょ?!」というように、PCDの位置づけが今更ながら声高に宣言されています。…その必死さに聴いててしんどくなります。曲調もブリトニーがメイクオーバー(イメチェン)でやったような使い古されたやつだし。

27. OneRepublic / Apologize (2007) ★★★

昨年13位。こちらはそれほど好きじゃないです。

28. Finger Eleven / Paralyzer (2007) ★★

ありがちなちょっぴりファンキーなハードロック。ぼくはハードロックはもっととっぽくてダサい感じの方が好きです。

29. John Mayer / Say (2008) ★★★

AMGでかなり褒められていたアルバムから。これまでのジョン・メイヤーのイメージとはちょっと違う、なんというか、ミニマル・フォークという感じの曲調。悪くないです。

30. Jesse McCart / Leavin' (2008) ★★★

ティーンシンガーらしい。歌はジャスティン・ティンバーレイクっぽいですね。個性はまだまだこれからという感じ。

31. T.I. / Live Your Life (feat. Rihanna) (2008) ★★★★

これはすごい。O-Zoneの「恋のマイアヒDragostea Din Tei)」(iTS 日本版2006年度45位)をなんとディープ・サウスのヒップホップな人、T.I.がどどーんとサンプリング、しかもリアナがそれに歌まで乗せちゃって…。コーラと刺身ぐらい食い合わせ悪そうなのに、これが意外と良かったりするからすごい。リアナがまた超はまっている。今回ランクインしたリアナの他の曲よりこの曲の方がリアナが生きているのはどういうわけか。

32. Estelle / American Boy (feat. Kanye West) (2008) ★★★★

こんな曲が入っているなんてびっくり。イギリスのシンガーだそうですが、ちょっと前にあったアシッド・ジャズのブームをほんの少し思い起こさせるような、ジャジー・ソウルです。しかも、ただのおしゃれ系音楽ではない、一癖ありそうなエステルのボーカルと曲・メロディ・歌詞の空気感が好ましいです。

33. Taylor Swift / Our Song (2008) ★★★

若いカントリー・シンガーの曲。うーん、あまりよく分かりません。普通じゃね?

34. Chris Brown / Kiss Kiss (feat. T-Pain) (2007) ★★★

昨年38位。あまりピンとこないんだよなあ、こういう曲。なんでだろ。

35. Buckcherry / Sorry (2006) ★★★

西海岸のハードロックバンドのパワーバラード。特に興味無し。今回のチャートはマッチョなロックがほんと少なくて、28位のFinger Elevenとこの曲ぐらいしかありません。

36. Colbie Caill / Bubbly (2007) ★★★★

昨年15位。アルバム欲しい。フォーキーだけど、改めて聴くとボーカルはかすかにソウルフルです。

37. Soulja Boy T / Crank That (Soulja Boy) (2007) ★★★

昨年11位。飽きた。

38. Sean Kingston / Take You There (2008) ★★★

昨年も「Beautiful Girls」を24位にランクインさせていたラガ系ティーンシンガーの曲。特に感想はありません。

39. Fergie / Clumsy (2006) ★★★★

まだシングル残ってたんだ。しぶといな〜1枚のアルバムから。AMGでボロクソ言われているファーギーですが、ぼくはこの泡沫な感じは嫌いじゃありません。この曲は使い古された50年代レトロエレクトロですが、このイージーさ、ぼくは許せます。

40. Jordin Spark / Tattoo (2007) ★★★★

7位にも入っていたAmerican Idol出身シンガー。こちらも清涼感ある歌と曲で、けっこう好き。こんな俺、駄目っすか。

41. Yael Naim / New Soul (2007) ★★★

フランス系イスラエル人(イスラエル系フランス人?)女声シンガーソングライター。なんでこんなフォークっぽいというかバスキングっぽいというか、こんな曲がヒットしたのだろうと思ったら、AppleMacBook AirのCMで使われたことからヒットしたのだそうな。個人的には特に好きでもないっす。

42. Danity Kane / Damaged (2008) ★★★

デスティニー・チャイルド/リアナ系の女声R&B。悪い曲ではありませんが、いかんせんボーカルに個性が皆無というか、他の人が歌っても同じというか、おそろしく匿名的な一品です。

43. Ne-Yo / Closer (2008) ★★★

R&Bシンガーソングライター、Ne-Yoの曲。四つ打ちリズムが特徴的な曲。悪くないです。ちょっとあっさり味すぎる気もするけど…。

44. Jonas Brothers / Burnin' Up (2008) ★★★

これまたディズニーチャンネル系のティーン兄弟のバンドで、ティーン兄弟バンドと言えばハンソンがすぐ思い浮かびますが、クォリティーは高かったが分かりやすすぎ&明るくまっすぐすぎて飽きられてしまったハンソンと違い、ジョナス兄弟はもうちょっとガラージバンドっぽく陰があって、ボーカルも表情があっていいかも。

45. Linkin Park / Shadow of the Day (2007) ★★

なんで2007年になって「ジョシュア・トゥリー」(1987)のころのU2劣化コピー??

46. Wyclef Jean / Sweetest Girl (Dollar Bill) [feat. Akon, Lil Wayne & Niia] (2007) ★★★

メッセージ色が強いらしい新譜アルバムからの1曲。この曲はわりと普通に最近のヒップホップ/R&Bの定石に沿った、ヴォコーダー、マイナーメロディ、ライブでの掛け合いを前提にしたサビ、アコギのサウンドなどにラガトーストが乗った曲であります。

47. Britney Spears / Piece of Me (2007) ★★★

去年も50位という微妙な位置に曲をランクインさせていたブリトニーちゃん。今回も47位という微妙な位置。でもしぶといといえばしぶとい。曲は…まあ普通。悪くはないです。

48. Kanye West / Stronger (2007) ★★★★

ダフトパンク・ネタ。昨年6位。

49. Flo Rida / In the Ayer (feat. Will.I.am) (2008) ★★★

この手はほんとよくわからんです。

50. Mariah Carey / Touch My Body (2008) ★★★

マライア、頑張ってますね。フツーの曲ですが、いつものマライア印、安心して聴けます。ちょっとオールドスクールなところが逆に新鮮。

以上。

2008年度(日本編)

いかん、もう2月だ。タイミング遅れましたが2007年度に引き続き、iTunes Storeの年間チャート(曲単位)のトップ50を大人買いして片っ端から感想を書くコーナーをやりたいと思います。日を改めてUS編もやる予定。

それはともかく日本版の概観です。まず、邦楽・洋楽の割合ですが、洋楽はTop 50で3曲。去年より1曲増えました。コールドプレイ、マドンナ、アリシア・キーズですか。コールドプレイってそんなに人気あるんですね。マドンナのはキムタクのドラマの主題歌だそうで。よく知りませんが。

邦楽の方ですが、相変わらずバラードばっかりです。日本人のバラード好きは韓国人に並びますね。今年は「青山テルマ」の年だったようですが、その影響で「せつない女性ボーカルに男がぼそぼそとラップする」曲が何曲か入っています。4位のSpontania feat.JUJU / 君のすべてに、34位の 童子-T / もう一度...feat.BENI あたり。この手の曲は俺的には「ポジティブ励ましソング」ほどは苦痛ではありません。

他に目立つのはEXILEと絢香。EXILEはなんと6曲も入っています(5, 14, 15, 31, 33, 40)。絢香もコブクロとのデュエットを含め、5曲ランクインです(11, 13, 27, 29, 45)。次に多いのがiTunes Storeの常連、宇多田(3, 20, 32, 48)、次にベテラン安室(28, 36, 48)がしぶとく続きます。宇多田はここ数年毎年1位だったので、ついにそれを明け渡したという感じでしょうか。でも宇多田の強さは続きそうです。安室はもはや「日本のマドンナ」という感じですね。だいぶ若いけど。

全体としては、バラード中心とはいえ去年よりはバラエティーがあって楽しめました。

というわけで、以下、感想を書きなぐります。たかだか1曲や2曲聴いただけで判断するのは無茶だと分かりつつ、お気に入り度を★で記しますが、「★★★」が標準。「けっこういいな」と思ったら「★★★★」、「これはけっこう聴くのがキツい」と思ったら「★★」。「★★★★★」は、「この曲なら何回でもリピートオッケー!」という曲です。

ではでは、本年度分。

1. 青山テルマ feat. SoulJa / そばにいるね (2008) ★★★

去年48位だった(今年も44位)SoulJaの「ここにいるよ」の青山テルマ・バージョン。「ここにいるよ」はSoulJaの女々しいラップが耐えられなく、青山テルマのボーカルは好きだったので、ラップが最小限のこの「そばにいるね」は歓迎。…のはずなんだけど、すばらしいメロディのサビに対して、Aメロ(verse)がいまいちというか、なんか後から取って付けた感じであまり馴染んでない気がします。

2. GReeeeN / キセキ (2008) ★★★

昨年もっとも身体が拒否反応を起こしたのがGReeeeNの「愛歌」でしたが、この「キセキ」はシロウトっぽさが後退して、ずいぶんと聞きやすくなりました。元気のいい、デリカシーのないミスチルって感じ。

3. 宇多田ヒカル / Prisoner Of Love (2008) ★★★

去年スーパー同居人ちゃんの友人のアメリカ人が日本に長期滞在していたんですが、「コンビニに入るたびにPrisoner Of Loveがかかっていて発狂しそうになった」と申しておりました。それだけヒットしたということですね。でもけっこう地味な曲のような気がする。終わりの方の「Stay with me」のくだりが好き。それ以外はふつう。

4. Spontania feat.JUJU / 君のすべてに (2008) ★★★

「ここにいるよ/そばにいるね」系の「せつない女性ボーカル+バッドボーイの純情ラップ」の組み合わせの曲。エフェクトの処理のせいだと思うんだけど、JUJUのボーカルがこれでもかと感傷を煽ってきます。嫌いじゃないです。

5. EXILE feat. VERBAL (m-flo) / 銀河鉄道999 (2008) ★★★

EXILE 1曲目はなぜかゴダイゴのカバー。EXILEのソフトなボーカルを「新たな味」と感じるか、「物足りない」と感じるか、微妙なところ。この曲って名曲だと思うんだけど、メロディーは意外に単調で、タケカワユキヒデのボーカルの存在感でぐいぐい聴かせる曲なんだよね。EXILEのソフトで甘いボーカルだとメロディーの単調さがちょっと気になる。

6. 藤岡藤巻と大橋のぞみ / 崖の上のポニョ (2008) ★★

大ヒット映画の大ヒットテーマ曲。小さな子どもがいれば一緒に楽しめるのかもしれませんが、大人がこれを聴くのはかなり苦痛であります。

7. 青山テルマ / 何度も (2008) ★★★

「そばにいるね」に続くシングル。「そばにいるね」を踏襲した路線だけど、うーん、普通。

8. GReeeeN / 愛唄 (2007) ★★

去年2位。

9. Superfly / 愛をこめて花束を (2008) ★★★★

ちょっと気になっていた女性ボーカリスト(いちおうユニット?)。あからさまにウッドストックなルックスなのでどんな音楽性なんだろうと思ったら出だしはわりと普通。しかし後半の盛り上がりで爆発的ロックボーカルに突入して、聴いていて思わずのけぞった。こういう荒削りで古いロックがチャートに入るなんて日本のシーンも捨てたもんじゃないですね。暑苦しそうでいて、後味はあくまでさわやか。

10. キマグレン / LIFE (2008) ★★★

チャゲアスとチューブを合わせて洗練させた感じ。チャゲアスもチューブも大変苦手ですが、嫌みのないブラジリアン・リズムのおかげで、それほど抵抗なく聴けます。

11. 絢香×コブクロ / WINDING ROAD (2007) ★★★

前年度も10位に入っていました。まっとうで歌が力強い曲。まっすぐすぎ&うますぎでちょっと引く。

12. 羞恥心 / 羞恥心 (2008) ★

クイズバラエティーから派生したお馬鹿芸人ユニット。まさにゴミ。吉本新喜劇オール・スターズの「エクスタシー」を聴いているほうが10,000倍良い。

13. 絢香 / おかえり (2008) ★★★★

絢香は歌がうまいですね。この曲はバラードですが、日本のバラードでは珍しく馬鹿恋愛でなく家族や故郷を歌った曲で、平凡といえば平凡なテーマだけど、絢香の歌唱がその普遍的テーマに説得力をもたせています。緩急の付け方が絶妙ですね。素晴らしいです。日本語であることを除けば、ビルボードチャートにあっても不思議でない曲です。

14. EXILE / Ti Amo (2008) ★★★★

スパニッシュ風味(タイトルはイタリア語ですが…)のアレンジがEXILEの「ジゴロ」イメージにぴったり。歌詞も不倫がテーマで、うっとおしい「みんな頑張れ」系の励ましソングや「おまえの前ではなんにも言えねえ」系の純情バッドボーイ路線のガキっぽさとは対極にある、大人が濡れそぼつ甘茶な世界。韓流バラードっぽくもある。初めて「EXILEっていいかも」と思ってしまいました。ただ一つ受け付けないのが亀田みたいなATSUSHIのルックス。あのルックスならK-Ci & JoJoのK-Ciみたいなインパクトある声が出てなきゃ嘘。

15. EXILE / Lovers Again (2007) ★★★★

去年5位。良い曲です。

16. 東京事変 / 閃光少女 (2007) ★★★★

おっ、東京事変。配信のみのシングルだそうです。初期の椎名林檎っぽいストレートで力の抜けた佳曲。ソロ3枚目から先の椎名林檎はアイデンティティをもとめて考えすぎていたようなところがあったと思うのですが、この曲は配信オンリーという気楽さからか、実に普通の椎名林檎で、こういう林檎がぼくは好きです。

17. 大橋卓弥 / はじまりの歌 (2008) ★★

スキマスイッチの片割れのソロ。なんか歌い方が気持ち悪いんですけど…。スキマスイッチは去年聴いた2曲の印象としては、ちょっと庶民的なスピッツという感じで、コード進行なども凝っていて洗練があったように思いますが、この曲はソロということで、もっとシンプルでフォークっぽく、泥臭く、それに合わせて歌が意識的に?クセのあるものになっているのですが、聴いていてなんというか…延髄に飛び蹴りくらわしたい気持ちになってきます。

18. MONKEY MAJIK / Together (2008) ★★★

こちらも常連になりつつあるMONKEY MAJIK。同じ甘ったるい歯の浮くような歌詞でも、ボーカルの力と楽曲の洗練しだいで説得力を持つという良い手本だと思います。

19. Coldplay / Viva La Vida (2008) ★★★

人気あるんですねえ、Coldplay。実はあまりしらないんですよ。なんか不思議な曲ですね。この一曲だけではどういう音楽性なのかいまいちよくわからないので、判断は保留。

20. 宇多田ヒカル / HEART STATION (2008) ★★★

普通。

21. KOH+ / 最愛 (2008) ★★

この曲はキツい。柴咲コウと福山雅治のコラボなんだけど、福山の感傷ベタベタの素人っぽい歌世界が柴咲に全然合ってないように思えます。鼻声で「まだすきぃ〜だからあ〜」と歌われるところで悪寒が走ります。柴咲にはもっとさっぱりした曲が合っている。

22. 山下達郎 / ずっと一緒さ (2008) ★★★

こんなところで達郎に出会うなんて感無量です、色々と。でもどうだろ、この曲。時流に合わせた「臆面のない感傷寄り添い」系の曲なんですが、うーん、どうなんだろ。といっても山下達郎にそれほど思い入れはないんで、「こんなの達郎じゃない!」というふうには思いませんが、純粋に楽曲としてどうなんだろ。洗練の最先端を行っていたボーカルも、さすがに若手の中では古い感じもします。そこが逆に良いとも言えますが。

23. Madonna / Miles Away (2008) ★★★

キムタクのドラマの主題歌として書き下ろされたらしい。まあまあ。

24. MONGOL800 / 小さな恋のうた (2001) ★★★

うわ、なんだこの曲!? 調べると沖縄のメロコア青春パンクバンドのようで、YouTubeを見ると、ブルーハーツからカリスマ性を取ったような感じなんだけど、この曲はけっこういい。デモテープなんじゃないの?というぐらいデッドでしょぼい録音で、そこがパンクの心意気を感じて大変好感持てます。…と思ったら、インディーズ時代の曲なのね。メジャーでもこの音だったら素晴らしい。

25. FUNKY MONKEY BABYS / 告白 (2008) ★★

FUNKY MONKEY BABYSの曲を聴くのはいつも試練なのですが、この曲は苦手。てか、日本人ってなんでこんなに「告白」が好きなんかね。人生のおもしろさ、深さは告白の後に山ほどあるのに、最近の歌に歌われるのは告白や付き合い始めの「大好き!」という初期衝動ばかりで、引いてしまいます。

26. 福井 舞 / アイのうた (2008) ★★★

絢香タイプ?のバラード。特に感想はありません。

27. 絢香 / 手をつなごう (2008) ★★★

ファルセットにブレス抜きを組み合わせるテクニックがあざとさと個性の間のきわどいラインを行っています。

28. 安室奈美恵 / NEW LOOK (2008) ★★★

この曲はすごく変な曲で、どう評価してよいものか、とまどってしまいます。この「New Look」と49位の「What A Feeling」はソウルの有名曲をテーマにした企画シングルからの曲だそうで、この曲はシュープリームスの「Baby Love」に基づいています…といっても、サビの一節とバックのリズムがサンプリングされている程度でほとんどまったく別の曲になっています。しかもなんだか「プラスチック」というキーワードが瞬時に頭に浮かぶほど無機質でフューチャリスティックかつレトロな雰囲気で、歌詞もメロディーもなんだかアンドロイドチックで、実に聴いていて居心地が悪いのです。しかし、居心地が悪いながらもなんだか耳にこびりつくような曲でもあり、どう考えたら良いのか、脳みそをかく乱するような独特の楽曲であります。

29. 絢香×コブクロ / あなたと (2008) ★★★

良い曲じゃないですかね。「Winding Road」と比べて、絢香の存在感が増していて、コブクロが食われ気味です。

30. トータス松本 / 涙をとどけて (2008) ★★★

スキマスイッチ大橋卓弥のソロと同じく、ウルフルズのトータス松本のソロは自身のバンドよりももっと弾き語りっぽいテイストの曲でボーカルも雰囲気がいつもとちょっと違いますが、気持ち悪かった大橋のボーカルと違い、松本のボーカルはゴツゴツとした手触りのなかにセンチメンタルさがまぶされるという形になっており、説得力があります。

31. EXILE / ただ…逢いたくて (2005) ★★★

去年21位。ふつうの良さです。サビが普通のJ-Popっぽくて、そこがあまり好きじゃないかも。

32. 宇多田ヒカル / Stay Gold (200) ★★★★

この曲良いですね。たいへん地味な曲ですが、こういう押さえた曲だからこそ宇多田の世界観が生きるような気がします。

33. EXILE / I Believe (2007) ★★★

ミディアムテンポのグルーヴィーなナンバー。良いですね〜。R&Bっぽい感じと歌謡っぽい感じが絶妙にまじりあっています。それでいて決して暑苦しくならない。あくまでソフト&スムース。

34. 童子-T / もう一度...feat.BENI (2008) ★★★

また「せつない女性ボーカル+バッドボーイの純情ラップ」の曲。これまた悪くない。でもいくら売り上げのためとはいえこんな安っぽいメロドラマみたいな内容のラップでいいのだろうか、童子-Tさん。

35. コブクロ / 桜 (2007) ★★★★

去年27位。悔しいが良い曲。

36. 安室奈美恵 / Do Me More (2008) ★★★

マドンナっぽい…と思う。

37. 新垣結衣 / heavenly days (2007) ★★★

でたっ! 新垣が深夜のバラエティー番組「落下女」に出ていたころ、南海キャンディーズしずちゃんを中心に杏さゆりと「ニャンと! LOVEリング」というお笑い曲をやってまして、新垣も少しだけ歌っていたのですが、これがドヘタで、歌手デビューを聴いたときどうなるか心配だったのですが、これがまあびっくりするほどの甘甘のシュガーボイスで録音されており、破壊力抜群です。ちょっとチャラっぽいか。微妙なピッチの推移に、脳細胞が破壊されること必至。

38. X JAPAN / 「I.V.」 (2008) ★★★

すごいなー、X Japan。もちろんぼくが嫌いなタイプのバンドですが、けっこう良い曲です。ハードロックなのにあくまでソフト&スムース。後半でドラマチックに転調するところは特に素晴らしい。さすが耽美派のベテランです。

39. Alicia Keys / No One (2007) ★★★★★

好きな曲なのでランクインして嬉しいです。ちなみに2007年度 iTS (US) 31位、2008年度 iTS (US) 21位の曲です。

40. EXILE / Pure (2008) ★★★

さすがにここまでEXILEを聴かされると飽きるな…って別に誰に聴かされているわけでもないけど。

41. 木山裕策 / home (2008) ★★★

この曲を有線で初めて聴いたとき、えらい歌い方が古い人だなあと思ったんですが、素人さんだったんですね。正直、こういう押し付けがましい曲は苦手で、同じ故郷や家族を歌った歌でも、絢香の「おかえり」のプロの完成度とは天と地ほどの差があると思いますが、この朴訥な、業界ずれしていない歌唱でなんとなく許せてしまいます。

42. アキノ / 創聖のアクエリオン (2005) ★★★★

昨年19位だったアニソン。良いです。

43. MONKEY MAJIK / ただ、ありがとう (2008) ★★★

悪くないけど、このパターンも飽きたというか、もうちょっと違うバリエーションの曲を聴きたいような。

44. SoulJa / ここにいるよ feat. 青山テルマ (2007) ★★★

昨年48位。

45. 絢香 / 三日月 (2007) ★★★

昨年27位。

46. コブクロ / 永遠にともに (2007) ★★★

昨年36位。

47. FUNKY MONKEY BABYS / 旅立ち (2008) ★★★

今日も今日とて、自信のない人を励ましています。

48. 宇多田ヒカル / Flavor Of Life (2007) ★★★★

昨年1位。こうして聴くと「Prisoner of Love」より良い曲ですね。

49. 安室奈美恵 / WHAT A FEELING (2008) ★★★★

28位の「NEW LOOK」とともに、ソウル/ダンス・クラシックをテーマにした曲。この曲はアイリーン・キャラの同名曲ですが、エレクトロなAメロから、ハウス/トランスなサビへの流れがカッコいい。ボーカルの印象が弱いのが残念。

50. 矢島美容室 / ニホンノミカタ-ネバダカラキマシタ- (2008) ★★★

米米クラブの後継者、綾小路オズマが送り出すネタ曲。「羞恥心」に比べるとすべての面ではるかに良い。…けど積極的に好きということも全くない。

以上。