Live concert at , Boston, MA, 10/12/2007, $18ぐらい? ★★★★

Super Furry Animals / (Live concert at Paradise Rock Club, Boston, MA, 2/23/2008, $18ぐらい?忘れました)

::★★★★::2008::--::pop::rock::

■ 期待通りの好ライブ

半年のアメリカ滞在中に最後に行ったライブの感想を書き留めてなかったので書いておきます。てゆうか記憶がすでに薄れているのですが…。

実はSuper Furry Animalsについてはそれほど詳しくは知らなくて,妹が持っていた「Rings Around The World」をわりとよく聴いていたというぐらいだったんですね。でも当該アルバムは何気に聴き込んだアルバムだし,クラブ音楽を乱暴にぶち込んだりするセンスが気になったので行ってきました。

本国ウェールズやイングランドではおそらくスーパースターな彼らも,アメリカでは知っている人しか知らないと思われるので,コンサート会場も(個人的に)お馴染みのパラダイス・ロック・クラブ,日本でいえばクアトロぐらい?のライブハウスです。

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ボーカルのグリフ・リースは,怪獣マスクを気に入っているという話は事前に知っていたのですが,この日もやはりオープニングはこの怪獣マスクをかぶってました。なにやらピカピカ光るんですね,このマスク。しかしマイクはマスクの横の方におしつけていて,今いち仕組みが分からない。…というかマスクをかぶる意味自体が分からない。

ちなみに一曲目は「Slow Life」でした。打ち込みで始まる曲ですので,最初はテープの演奏,徐々にメンバーが出てきて生演奏を始めるというスタートでした。個人的にこの曲は大好きなので大喜びです。

このツアーは新譜の「Hey! Venus」のプロモーションツアーなんですが,当該アルバム以外でも,わりと色んなアルバムから均等に曲を演奏していたように思います。ギミックなく,割に淡々と曲を演奏していくのは予想通り。そしてこのバンドの良さはなんといってもグリフ・リースのボーカルなので,ライブの音のミックスもボーカルの音量が大きかったように思います。わりと中低音中心のボーカリストですので,ミックスで音量を上げないと埋もれやすいのかもしれません。リースは1970年生まれなのでもう38歳。でも渋カッコよかったです。以前から思っていましたが,ボーカルはベックと共通するところがあります。

3ヶ月前に観たライブなので,セットリストなどは全然覚えてませんが,「カリメロ」とか「リングス・アラウンド・ザ・ワールド」のような,アップテンポのガレージバンド的な曲が意外に良かったのが発見でした。おっさんバンドですが,まだまだヤンチャであります。

残念ながらアンコールはなかった(と思う…)のですが,ステージ去る前にメンバーが掲げていた手書きの「Boston」のサインは,バンドのBostonのロゴになっていて笑えました。(5/24/2008)

スーパー・ファーリー・アニマルズについて

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Super Furry Animals

スーパー・ファーリー・アニマルズ (1995年アルバムデビュー)
::pop::rock::

写真は,真ん中がグリフ・リース(vo)で…あとは分からん。たぶん左端はダフィッド・エヴァン(dr)。

【概観】

ウェールズのバンド。ビートレスク(ビートルズ的)/ビーチボーイズ的なポップス・ロックに,サイケデリック,パンク,クラブ音楽などをミクスチャーして演奏するのが特徴。オレのイメージではアメリカでいえばフレイミング・リップスに近い…けど,フレイミング・リップスもあんま良く知らないので間違っているかも。ボーカルのグリフ・リースの声質からベックを彷彿とさせる瞬間も。とにかくメロウで屈折したバンドです。

アルバムのレビューはそのうちに…。とりあえず今日はライブの感想を忘れないうちに書き記しておきます。

(5/24/2008)

Riptide ★★★★

Riptide

Robert Palmer / Riptide

::★★★★::1986::Island::rock::pop::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

■ 80年代MTVヒットを代表する一作

デュラン・デュランのメンバーと組んだパワー・ステーションの成功を受けて録音され,大ヒットしたアルバム。

ロバート・パーマーは決して商才豊かな人ではなく,むしろ器用貧乏なタイプだと思うのですが,「Riptide」は完璧なタイミングと完璧な内容と完璧なプロモーションに支えられた,成功すべくして成功したアルバムです。

内容は基本的にパワー・ステーションパワー・ステーションのトレードマークだったパワフルでラウドなビートはここで継承されています。ドラマーとプロデューサーがパワー・ステーションと同じなんだから当然です。

じゃ違いは? うーん,一言で言うのは難しいですが,「Riptide」の方がオトナでスムースでセクシーという点でしょうか。パワー・ステーションにあったニュー・ウェーブ色だけでなく,ブラック・コンテンポラリー色を排し,ホーンセクションも使わず,よりシンプルにアプローチしたのがこのアルバムのクレバーなところです。しかもギターをさらに強調し,ロック色を強めているのに,同時によりオトナな雰囲気も漂わせているところが見事。キャリアの長さはダテじゃない。

このアルバムの唯一の欠点は短すぎること。わずか9曲35分あまりで,1曲目と9曲目が序曲とエピローグ的というのはあまりに短いです。たぶんパワー・ステーションの成功の余韻を逃さないようにと急いで発売されたからだと思うのですが,捨て曲がないだけにこの短さはもったいないです。



この曲を聴け!

ロバート・パーマーについて

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Robert Palmer

ロバート・パーマー (1949年1月19日生,1974年デビュー,2003年9月26日死去)
::rock::pop::

【概観】

パーマーはソウルからロック,ポップスまで独自のクロスオーバーな音楽活動を続けていたシンガーでしたが,デビューから80年代前半までは好事家のみに知られる存在でした。

しかし,1985年に当時人気絶頂のデュラン・デュランのジョン・テイラー(b)とアンディ・テイラー(g)が,アーバン派ディスコ・ファンクの雄,シックのメンバー(トニー・トンプソン(dr),バーナード・エドワーズ(b))と組んだパワー・ポップ・バンド,パワー・ステーションに参加,「Some Like It Hot」と「Get It On」が大ヒットして一躍メジャー・スターダムにのしあがります。

この好機を逃すかとすかさず,前述したシックの二人とアルバム「Riptide」を録音,これがパワー・ステーションをしのぐ大成功を収めます。

その後,1988年に「Riptide」の延長線上の「Heavy Nova」を出しますが,以前ほどは成功せず,しだいに一線から遠のいていきます。

2003年にパリで心臓発作により急死。享年54歳。

(5/5/2008)

Stephen Stills ★★★★

Stephen Stills

Stephen Stills / Stephen Stills

::★★★★::1970::Atlantic::pop::rock::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

■ 高揚感とエレガンスあふれるゴスペル・フォーク・ロック

スティーヴン・スティルスのソロデビュー作にして代表作。バッファロー・スプリングフィールドからCS&Nを通してフォーキーなロックを演奏してきたスティルスですが、ソロデビュー作となる本作は、有名な冒頭の「Love The One You're With」からラストの「We Are Not Helpless」まで、驚くほどゴスペル色の強い作品となっています。とはいえ、土台はあくまでロックで、言ってみれば、リオン・ラッセルに近いところもあります。ただ、ラッセルほど泥臭くなく、希代のソングライターらしくメロウでエレガントな曲であふれています。さらに、ゴスペル、フォーク、ロックといった要素がまったく違和感なく融合しているのがすごい。ポジティブなメッセージが時に説教臭く感じる瞬間がないではありませんが、この高揚感はクセになります。傑作。なお、tr4「Old Times Good Times」にジミ・ヘンドリックス,tr5「Go Back Home」にエリック・クラプトンが参加しています。(1/22/2008)

スティーヴン・スティルスについて

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Stephen Stills

スティーヴン・スティルス (1945年1月3日生、1970年ソロデビュー)
::pop::rock::

【概観】

バッファロー・スプリングフィールド,クロスビー・スティルス&ナッシュ(&ヤング)といった西海岸フォークロックのスーパーグループの首謀者。永遠のライバル(?)、ニール・ヤングの天才性と比較されると少々霞んでしまいますが、こちらも天才であることには変わりません。

(1/22/2008)

O ★★★★

O

Damien Rice / O

::★★★★::2003::label::pop::rock::folk::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

■ ほとんどプログレ? 叙情派フォークの極北

このCDは同僚にもらいました(コピーしてもらったのではなく、余っていたのでもらった)。雑誌等を読まないオレですので全然知らなかったのですが、評判の高い人だったんですね。内容は、これでもかというほど、美しく、物悲しく、叙情的な、フォーク(もちろんポスト・パンク世代の)です。歌も達者だし、曲も美しい。しかもメジャーの偽善っぽさがなくインディー音楽の無垢さが埋められています。

でもここまで叙情的など引いてしまうのはオレだけ? チェロでメランコリーを壮大に盛り上げられると、「分かった、もう分かったよ」と言って演奏をやめさせたくなります。だからオレ的お気に入り度は★★★かな〜と思ったんですが、さすがに評価が高い人だけあって、一部の曲は神がかったとも言える出来だし、最後の「Eskimo」はまさかのオペラ的展開で、これはほとんどプログレ? この突き抜け方に敬意を表して★★★★。(1/21/2008)


この曲を聴け!

  • やはりファーストシングルのtr3「Blower's Daughter」。冒頭の歌い出しから聴く人を惹き付ける名曲。もしかしたらフランキー・ヴァリの「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off Of You)」へのオマージュ?
  • tr8「Cold Water」も大変な名曲。
  • tr10「Eskimo」はアルバム中もっとも壮大な曲で、本文中でも触れたけど、オペラ・ボーカルが登場するなど、従来のフォークを打ち破るような曲ですごい。
  • しかし、シークレット・トラックのキリスト教賛美歌はマジで勘弁。